ICカードこれひとつを黒字化するために

ICカードこれひとつ


元々は、業務の片手間で開発する予定で始まったプロジェクトでした。
おかげさまで好評を博し人気が出てくると、それではとても作業が間に合わない状況となりました。

大好評は大変ありがたく感謝するばかりで、心の支えでもあります。
次々と舞い込む建設的な要望もアプリ改善のために良いものであり、感謝をしております。

他方、第三者をも巻き込む途方もないトラブル、トラブル発生のたびに発生する再発防止対策のコストと全体的な計画の遅延、は良いものではありません。

この状況、片手間での開発は出費がかさむばかりで厳しく、安定して開発するには人員を2名以上常勤で配置する必要がありそうです。現状、明らかに追いつかない状況だからです。

しかもこの人員ですが、このアプリある限り恒久的に必要となります。
このアプリを安定的に維持するには、このアプリ単体で黒字化する必要があります。
これまでの開発に要した、零細企業にしては頑張ったと思う額を回収しつつ、人員1ないし2名の賃金、加えて、今後も発生する開発に必要な調査の交通費もかなり高額ですが、これらを確保するのはどうしたらよいのでしょうか?

有料プランの追加


まず前提として、弊社はマイクロソフトでもアドビでもないので、このアプリは(ピー)万円です!しかも毎年更新のたびに買い直して下さい!なんてことを言うことができません。

言う権利はあるでしょうが、当然誰も買ってくれないでしょうし、というか私本人も買いませんね。

ですから、零細企業らしく身の程をわきまえた現実的な方法を考えていく必要があります。


有料プランの内容


これまで通り、基本は無料で、追加サービスは有料という方法を採用します。これは当初からの予定通りです。

履歴機能、CSV出力機能、広告非表示といったあたりを、まずは有料サービスの対象として想定します。

将来的に更に新機能を追加する場合は、それはまた別途検討としましょう。

ではこの有料プランは、どのような値段とすると、黒字化が可能なのでしょうか。


売り切りは可能か?


アプリは、一括でポンと買えた方が楽なのは間違いありません。
大手ソフトウェアメーカーの製品は概ねそうです。
ICカードこれひとつでも、それは可能でしょうか?

このアプリの場合、課題として、研究調査やサポートが恒久的に存在し続けるということです。ゲームのように売ったらそれっきり、という訳にはいきません。

例えばヴァル研究所さんのWindows用「駅すぱあと」を例にしますと、1回売り切りで3,780円、2ヶ月に1回計6回の年間サポート込みで12,960円、これが2年なら20,520円、3年なら27,216円、となっておりました。

こういったサポート別売のアプリ以外も想定すると、たとえ売り切りと言っても1年ごとに新バージョンが出たりしているので、その都度新バージョンを売る、ということで定期的な収入を得て、アプリは維持されているわけです。
結局それは、名を変えた「年極」なわけです。「年貢」とも言います。

このアプリを、5年・10年という長いスパンで維持しようと考えたとき、年極ではない本当に一回のみの売り切りを想定した場合、無限にユーザー数が増え続け、その中から一定割合で有料ユーザーが充分人数現われる必要があります。

しかし、そもそも無限に増え続けるということが無理なことですし、カードリーダーというこの分野はそれほど市場規模が大きくないようです。
ICカードこれひとつ自体、ユーザー数の伸びは鈍化しており、頭打ちも近いのかと予想されます。
ですから、一回売り切りで無期限サポートというのは、考える前にまず現実的ではないと判断できます。
無責任なものの売りかたはできませんから、無理と分かっている売り方はできません。


月極は可能か?


月極は、毎月払う方法です。
どちらかというと、月極は不評なスタイルです。

他の例を参照すると、例えば一太郎やATOKのジャストシステムさんは、ATOKを「ATOK Passport」として月額286円+税から提供しています。
つまり年間約3,707円です。ローンで毎年3700円で新バージョンを買い直している、とも表現できましょう。

ただ大手なら300円でも許されるでしょうが、弊社は零細ですからもっと慎ましい金額でなければなりません。
例えば月100円として、年1200円と仮定しましょう。
1000円売り切りで毎年更新、などとして買い直してもらうよりは、月100円を払って貰うほうが「正直」なように思われます。

また、高い値段を付けて売り切りで一部の方から高額の負担をいただくよりは、ユーザーの方々に広く薄く負担をお願いする方が公平でもあろうかと思われました。

このアプリを安定的に維持するには、月極が妥当であろうかと判断するところです。


価格はどうするか


価格を決めるにあたり、最近、iOS用アプリに二つの大きな事件がありました。

まず発生した「事件」は、カプコンの「逆転裁判4」です。
この有名タイトルは、ダウンロード&テストプレイ120円、全話一括購入で2200円なので、最少額で計2320円となります。
有名ブランドの有名ゲームで2320円は破格の特価と思われるのですが、残念ながら★1が大量に付けられました。
120円でダウンロードした方たちは「2200円は高い」「企業モラルとしてどうなのか」「詐欺、プロローグしかプレイできない、金返せ」… 見ているだけで辛くなる辛辣な言葉を並べています。


次に発生した「事件」は、任天堂の「スーパーマリオラン」です。
このゲームは、ダウンロードと最初の3ステージは無料、以降は1200円買い切りというスタイルでした。
このあまりにも有名なブランドで1200円も驚きの特価と思われるのですが、これにすら★1が大量に付けられました。
これも酷いコメントに溢れています。


こんな超有名大企業ですらこの低価格でもこのありさまでは、それよりも更に値を抑えねばならないのかと実感をさせられました。
この事件はiOSですがAndroidでも同様のことは起こりうるであろうし、将来的にiOS用も計画をしています。しかし、こんなことで★1が全体の8割とかになってしまったら、中の人は心が折れてしまいます。


どのくらいの人が払ってくれるだろうか


月100円で採算レベルに乗せるには、まずは5000件、できれば1万件以上が理想となります。しかしそんな人数が応じてくれるのでしょうか。

一般論では、払う気のある人は金額は幾らでも払い、払う気のない人は1円でも払わず、その中間は存在しないそうですが、まずは全体の何パーセントくらいに払っていただけるかを想定しないといけません。

宣伝にもよるのかもしれませんが、アプリの需要層は現状、どうやら10万人から20万人くらいしかいないように思われます。
しかしその10%もの人が契約してくれるとは、とても思えないところです。
あとよく考えたらAndroidアプリはGoogleが30%マージンを引くので、実際は更に30%増しで有料ユーザー数が必要かもしれません。

そう考えると月100円プランだけでは厳しい。例えば3段階くらいの金額プランを用意するなどしないと難しいのかもしれません。
ATOKでも、月300円と月500円の2プランがあるので、そのあたりを参考にしていくのも手なのかもしれません。


広告も


当初は広告でそこそこの収益を想定していましたが、なにぶん片手間開発ですし、広告は受け身体制で募集しておりますが問い合わせは数えるほどで、かなり厳しい状況です。

広告業者を使えば、胡散臭い広告は幾らでも手に入り、微々たる額でしょうが安定した収益は得られるのですが、そういった広告はどうも好きになれない。

受け身では広告が手に入らないので、データ入力要員を増やすよりも前に広告用の営業を一人雇う方が良いのかもしれません。
しかし現状弊社は人員を増やす余裕がないので、その資金確保に有料ユーザーが一定数必要になる・・・厳しいですね。


まとめ


2年間、開発投資を続けてきましたが、そろそろ黒字化のめどを付けていかないといけません。

金額の変更、プランの変更などは今後起こりうると思いますが、色々模索しながらまずは何らかの付加的な有料サービスを提供していく、ということになると思われます。

ICカードこれひとつを黒字化し、安定したサービスとして継続することは、きっと皆様の利益になると信じています。


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2016/12/20(火)19:10 |Comments(0) |Trackback(0)

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未来情報産業(株) 社長

主として「ICカードこれひとつ」や「文字、文字コード」処理、時々C++などについて記述しています。

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